皆さま、こんにちは。Vino Divasの栗野 美智子です。
年末年始の飲み会シーズンが落ち着き、そろそろベーシックな家庭料理が恋しくなる頃ではないでしょうか?そんな皆様に、とっておきの1本とお気に入りの調味料を紹介したいと思います。

徳島県三次市にある、日本食に合うワイン造りがコンセプトのNatan葡萄酒醸造所さん。
小説を選ぶようにワインを選んでもらいたい。エンタメとしてのワイン造りを目指したい。ワインは生き物。ワインを飲むという事は、生き物同士の対話である。そういう強い想いをもってワイン造りに励む、代表の井下 奈未香さん。元々はソムリエとしてキャリアを積んでいたそうですが、転機が訪れて三次市にてブドウ栽培とワイン造りをスタート。当時、三次市にはブドウ栽培をしている農家さんはおらず、ゼロから手探りで始めたそうです。現在は自社畑で7 – 8種類のブドウを栽培し、提携している農家さんから買い付けしたブドウも合わせて実に様々な、そして物語性に富んだワインをたくさんリリースしています。

ワインショップでNatanさんのワインを7種類ほど試飲させていただき、その中で一番ピンときたのがこちら。
ピオーネ主体で、マスカットベーリーA、デラウェアなど7種類のブドウを使った「Margarites(マルガリーテス)」。マーガレットという意味で、花言葉は「花占い」。花占いをワインで表現してみたかった、と井上さんは語ります。口に含むとイチゴやラズベリーの赤系の果実がふんわりと優しく香ります。まるで野に咲く可憐な花が辺り一面に咲いているかのよう。シャインマスカットもブレンドされていて、グリーンなニュアンスはまるでマーガレットの花束の茎を連想させます。今まで色んなワインを飲んできましたが、ラベルと実際に飲んだ時のイメージがここまで一致するワインは初めてかもしれません。味わいは繊細でありながら、芯の強さも感じられますが、合わせるお料理を邪魔することは絶対にありません。和食などの出汁を使ったもの全般、トマトベースのパスタ、シンプルなピザなどが合いそうです。

まずは軽く前菜を用意。キャロットラペ、アボカドとパンチェッタのマリネ、白茄子のバターソテーを。
お酢の爽やかさとMargaritesの繊細な味わいがとても合います。このワインは旨味も感じられるので、バターのようなコクがある味付けの前菜とも問題なく一緒に頂けます。

白茄子を豚肉で巻いて醤油・みりんで炒めたものや、里芋、にんじん、沖縄塩いんげんの煮ものとも合います。
だし、醤油、みりんなどの和食系の調味料と非常に相性がいいです。

何かボリューム感のあるものと合わせたい場合は鶏ハムがおすすめです。
今回合わせたお料理全てに共通するのが、茅乃舎の野菜だしを使っているということ。

こちらの野菜だし、非常に応用が利く万能調味料です。ちょっとしたおつまみからしっかり系のお惣菜まで、幅広く使えるというワインラバーの強い味方。もちろん、元々は出汁なのでスープ類でも活躍です。
美味しいワインが見つかると自炊も楽しくなりますね。ぜひ、連日の会食やパーティーで疲れた胃腸にNatanさんの優しい味わいのワインと茅乃舎のだしで作ったおつまみは如何でしょうか。
Natan葡萄酒醸造所:https://natan.jp/
茅乃舎:https://www.kayanoya.com/
おまけ

Natanさんの物語性の高いワイン達のなかで「あはは、なるほど!」と思ったのがこちら。Cheeky 2022。(画像は別ヴィンテージ)使用品種はヤマソーヴィニオンです。
Cheekyとは「生意気な」という意味で、エチケットの小生意気な若い女の子が一生懸命男の人を誘惑している様子が印象的。アセロラを彷彿させるフレッシュなフレーバーで、まさにラベルの女の子をイメージした味わい。その1年前のヴィンテージ(2021)も頂いたら、そちらはレーズンをイメージするような、少し大人の女性の味わいでした。
※2024年はヤマブドウで醸造したそうで、また違った味わいなのかもしれません。
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