埼玉県 兎田ワイナリーを訪問してきました

皆さま、こんにちは。Vino Divasの栗野 美智子です。
先日の武蔵ワイナリーに続き、今回は秩父市にある兎田ワイナリーさんを訪問してきました!

ワイナリー見学と言えば山梨や長野を連想する方が多いかもしれませんが、埼玉県もとてもお勧めです。池袋から秩父まで西武鉄道の特急だと約1時間20分で来ることができます。駅にはお土産屋さん、食事処、温泉施設が併設されているので、ワイナリーでワインや景色を堪能した後は温泉に入って帰るという、一粒で二度おいしいプランが立てられます。また、駅前で自転車をレンタルして「あの花」や「心が叫びたがってるんだ。」などの有名アニメ作品の聖地巡礼なども楽しいエリアです。

さて、こちらの兎田ワイナリーさんは「秩父生まれ、秩父育ちの、兎田ワイン」をモットーとして、秩父だからこそ作れる味わいを追求しています。自社でワインの製造を開始したのは2015年からですが、それより前は委託醸造で秩父山のブドウを使ったワインを作って販売していたとのこと。現在は2haの自社畑で取れたブドウと、地元の提携農家さんから買い付けたブドウ約30トンを使ってワイン造りを行っています。

さっそく工場の中を拝見させていただきました。時期的にワイン造りは終わっており、この日はカボスなどを使った果実酒の醸造が行われていました。ワイン造りのシーズンとは少し異なる貴重な1ショットです。

こちらは熟成中の樽です。兎田ワイナリーさんでは他のお酒の醸造で使われた木樽を積極的に活用しています。そして、ワインの熟成を終えた樽はまた別のお酒メーカーのもとへ行き、別のお酒の熟成に使われます。ワインメーカー同士でワイン用の樽を融通する事は結構あるそうですが、こちらのように異なるお酒の樽をローテーションするケースは大変珍しく、それが兎田ワイナリーのワインを唯一無二のものにしているのだと思いました。ちなみに、秩父市はワインの他にもビール、日本酒、ウイスキーの醸造所が揃っており、飲兵衛には大変魅力的な酒都でもあるのです。

そして次は畑の見学です。こちらのワイナリーでは垣根仕立てで栽培しています。すぐ近くに石灰を産出する武甲山があり、そこから運ばれてきた石灰を土壌に混ぜているため、ミネラル豊かなブドウが育ちます。写真の通り、ブドウの樹は大変美しく手入れされており、見ていて清々しい気持ちになりました。

こちらはカラス除け。何とも言えない独特の愛嬌があります。
栽培している品種はメルロー、シャルドネなどのヨーロッパ系品種と、富士の夢、マスカットベーリーAなど日本の品種が半々ぐらいの割合でした。寒暖差があり、年間を通して日照量が多く、土壌もブドウ栽培に適しており、まさにブドウ栽培の理想的な環境が整っています。お話を聞かせてくださった深田社長、深田 優様、どうもありがとうございました。

工場と畑の見学を終えた後は、そこから徒歩3分ぐらいの距離にあるショップ・レストランへ。(レストランは12月~翌年3月まで冬季休業中)
次はこちらでワインのテイスティングとお買物です。ここからはソムリエールの中村さんによるサーブ&解説を聞きながら好みのワインを探す楽しい作業です。

発売されたばかりの新酒や、

生食用のブドウを使って醸造した可愛らしいロゼ、ワイン上級者も唸る本格的な味わいのもの、ノンアルのブドウジュースなど、ワインをあまり飲みなれていない方から愛好家まで幅広くカバーする魅力的なラインナップが揃います。

販売されているワイン、ジュース、果実酒は全て無料で試飲が可能です。小さいプラスチックカップに注いでもらい、飲み比べが楽しめます。価格帯は2,000円台から。いくつか記憶に残ったものをメモ代わりに。
秩父ブラン、秩父ルージュ:写真の大体中央らへんにあるこの2本が最もベーシックなワインです。まずはこれを味わってみて、「もうちょっと濃い物を」と思ったら雲海ラベルシリーズへ。逆に「もうちょっと軽い物を」と思ったら果実酒やノンアル、ロゼを選ぶのが良さそうです。秩父ブランはセイベル9110と甲斐ブランから作ったスッキリ系で、甘みも感じられるので休日のブランチに。秩父ルージュはマスカットベーリーAとメルロのブレンドで、ライト寄りのミディアムボディ。フードフレンドリーでイタリアンや和食と合いそうな印象でした。
兎雪:自社畑の藤の夢とマスカットベーリーAのブレンド。この日試飲した全ワインの中で一番好みの1本でした。ミディアム~フルボディで、まるで上質なイタリアワインを彷彿させる優美な味わい。アタックは強すぎず、ウイスキーとオークチップの香りが優しく漂います。飲むべき時期は秋~冬。シンプルな調味料で味付けした鴨肉、イノシシ肉などと一緒に合わせたらさぞ素敵な時間が過ごせそうです。
秩父ロゼ ちちぶ山ルビー:画像の左から4本目のロゼワインです。ラベルは着物の柄をイメージした、とてもオシャレな1本です。「ちちぶ山ルビー」という生食用のブドウで作っており、甘さと酸っぱさが心地よく、気軽に飲める親しみやすい1本。
他にも海底で熟成させたワインなど、珍しい物も置いていました。スパークリングも1種類あり、ここ1か所であらゆるワインを飲むシーンがカバーできてしまいます。

武蔵ワイナリーに続き、大変興味深いワイナリーだと思いました。ベーシックなワインが欲しい時にも、ちょっと変わったワインが欲しい時にも、あらゆるニーズをカバーしてくれる懐の深い、そしてチャレンジングなワイナリーです。是非、ワイン好きだけではなく、これから飲んでみたいという人にも訪れてほしい場所です!

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