日本ワインの基礎知識①

ワイン雑誌で定期的に組まれる日本ワイン特集ですが、あらためて日本ワインとはどういう物なのか振り返ってみませんか?日本ワインと言えば山梨、長野が有名ですが、その次に多い生産地はどこか。日本ワインと国内製造ワインの違いは何なのか。基礎の基礎から復習していきたいと思います。

■そもそも、日本ワインの定義って?
すぐに答えが思い浮かんだ方は中々のワイン通!これからも是非ワインを楽しんでいただきたいと思います。パッと思いつかなくてもご安心ください。急に聞かれると困る質問だと思います。答えはシンプル。日本で作られた国産ブドウを原料とした果実酒の事を日本ワインといいます。海外から輸入したブドウを使った場合は国内製造ワインと言います。スーパーのワインコーナーで日本のワインを見かけたら、是非それが「日本ワイン」なのか「国内製造ワイン」なのかチェックしてみてくださいね。ちなみに、日本ワインだから品質が良くて、国内製造ワインだから品質が悪い、というわけではないです。より日本らしさを感じたいのであれば日本ワインがお勧めです。後、知っておきたい情報として、生産量は多い順に山梨、長野、北海道です。4番目は山形県です。日本ワインの特徴は多様性に富むこと、これからまだまだ発展していく新しい産業であること、生産規模が小さい事の3点です。日本は北海道から沖縄まで、ブドウ栽培ができるエリアの緯度の差は18度です。フランスのシャンパーニュとコルシカ島が6度なので、その3倍も南北に広がっていることになります。なので北海道の方ではヨーロッパ系の品種が結構植えられていて、良い意味で日本っぽくないワインが造られていますよ。

■覚えておきたい2大品種
さて、日本ワインが何なのか分かったら、次はどんなブドウが植えられているか知りたいですよね!最近はヨーロッパ系の品種が増えてきましたが、まず覚えておきたいのはこの2つ。黒ブドウのマスカットベーリーA、白ブドウの甲州です。他には岩手県、山形県、長野県、岡山県など、本州で育つ日本野生ブドウにヤマブドウというものがあります。「国際ブドウ・ブドウ酒機構」というブドウの研究所がフランスにあり、ブドウの品種のリストを作成しています。ここのリストに登録された物は海外でワインを販売するときに、その品種名をラベルに記載することができるのですが、日本からは2010年に甲州が、そして2013年にマスカットベーリーAが登録されたので、日本のワインを輸出する際はこの2品種はラベルに品種名を記載することができるのですよ。甲州の味わいはとても繊細で、柑橘類を彷彿させるフレッシュさが特徴です。同じように繊細な味わいの和食(個人的には精進料理)に合わせやすいです。マスカットベーリーAは可愛らしいイチゴキャンディのような香りと、渋味・苦味が控えめなので、肉じゃがや串カツなどのお肉系の家庭料理と割と合わせやすいです。

■日本ワインの歴史
日本ワインの定義とメジャーな品種の次は、日本ワインの歴史を見ていきましょう。今から150年ほど前、明治初期の1874年に山田宥教(ヒロノリ)さんと詫間憲久(タクマノリヒサ)さんの二名が甲府でワイン造りを始めました。1877年には山形県勝沼にあたる祝村に初めての民間ワイナリー、大日本山梨葡萄酒会社が出来ました。この会社はいったん1886年に解散しますが、のちのシャトーメルシャンの母体となります。上のオレンジの建物は山梨県の勝沼にあるマルキ葡萄酒で、土屋龍憲という方が作ったワイナリーです。現存する日本最古のワイナリーとして知られています。ワイナリーツアーを開催しているので、勝沼に訪れる予定の方は是非HPを確認してみてくださいね。羊を飼っていて、雑草を食べてくれるので除草剤を撒いていないという話を伺いました。とってもサステナブル!
そして、この人も忘れてはいけません。日本の土地に適したブドウ品種をたくさん生み出した、日本ワインの父と呼ばれる川上善兵衛さんです。新潟県にワイナリーを設立しました。岩の原葡萄園という名前で、赤いつばきのラベルが有名ですね。色んな賞を受賞しています。最近はアウトドアブランドとコラボをした商品開発もしているようです。ますます今後が楽しみなワイナリーですね。

少し長くなりそうなので、続きは後編で!

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