映画「シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~」

皆さまは映画はお好きでしょうか?私は映画館に足を運ぶのは年に数回ぐらいですが、自宅で映画を見るのは大好きで、時間があるときにワインを飲みながら楽しんでいます。最近はワインをテーマにした作品に興味があり、皆さまに紹介したいものが増えてきたので少しずつブログでアップしていきますね。鑑賞後は今までよりも、もっとワインが美味しく感じられる事間違いなし!?

画像は公式サイトからお借りしました。

本日紹介したいのは、2022年11月に公開された「シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~」という作品です。舞台は山梨県勝沼のブドウ畑から始まります。大学院を卒業した安蔵光弘氏(実在する人物で、現在シャトー・メルシャンのゼネラルマネージャーです!)が1995年にシャトーメルシャンに入社します。早くワイン造りに携わりたいと意気込んでいた安蔵氏ですが、草刈や掃除など、ワイン造りに直接関係しない仕事ばかり任されており、不満を感じる日々を過ごしていました。そんなある日、彼が住む独身寮にメルシャンの顧問をしている浅井昭吾(ペンネーム:麻井宇介)氏がやってきます。「仕事はどうですか?」と聞かれた安蔵氏は日々の不満を口にします。それを聞いた顧問は「若い時は何でもやった方が良い。それが君の財産になる。ワイン造りは醸造だけでなく、ブドウの栽培も大事だし、土地も天候も大事です。若い今だからこそ、ワイン造りが何なのかを肌で知る時期なのです。」と励ましました。それを機に仕事に対する意識が変わった安蔵氏。そしてついに念願の醸造に携われることになったのですが・・・!というのが大まかなあらずじです。この映画の見どころを3つにまとめると、「ヒューマンドラマ、ドキュメンタリーとして見ごたえがある」「浅井氏のワイン造りと生き方の哲学が熱い」「ワイン造りの過程が学べる」だと思います。順に説明しますね。

■ヒューマンドラマ、ドキュメンタリーとして見ごたえがある
日本でワイン造りが始まったのは明治時代で、意外と歴史は長いのですが、実は一昔前まであまり日本ワインの評価は高くありませんでした。その状況を何とか打破したい、日本ワインを世界に通じる品質にしたい、という熱い思いを持った先人たちの挑戦や苦労、成功への道のり、そしてそれを引き継いでいく次の世代の若者たち。この映画を通じて、日本のワイン産業が直面してきた課題や、それを乗り越えるための革新、そして世界の舞台で日本ワインが評価されるようになるまでの過程を知ることができます。ネタバレはしたくないので詳細は伏せますが、最後のコンクール受賞シーンは目頭が熱くなりました。また、1つのワイナリーだけが良くなるのではなく、他のワイナリーも一緒に成長することが日本ワインそのものの評価が高まるという考え方にも大変感銘を受けました。そして、私たちが日々手にするワインにはそれぞれのストーリーがあり、いろんな人の思いが詰まっているのだと思うと味わいがより深くなるような気がします。

■浅井氏のワイン造りと生き方の哲学が熱い
何度も見返したシーンがあります。開始から20分ぐらいの、仕事の不満を口にした安蔵氏を励ますために浅井氏が述べた、ワイン造りに対する考え方を述べる箇所です。
「ワイン造りは酒造りです。ワイン造りを単なるモノづくりだと考えてはいけないのが私の実感です。(中略)美味しいワインを作るのも大事だけれども、酒造りの背景を、飲む人たちに文章で伝えることも、また大事なのです。」
「物事は理屈から入るのではなく、現場でのワイン造りを通して、科学的な部分があとからついてくる。そんな醸造家をめざしてください。」
「海外を経験した方がいいですね。いつ行けるかタイミングも大事ですが、話が来た時にいつでも行けるように爪を磨いておくことが大事です」

ワイン造りの映画ではありますが、これをそのまま私たちが置かれている境遇に置き換えて考える事が出来るのではないでしょうか。たとえば日々の仕事で、本当は自分の意に沿う物ではなかったとしても腐らずに、そこから何か学び、成長する意欲を持ち続け、正しい努力をしていれば状況は必ず良くなります。そして、いつか来るチャンスを逃さないために、日々準備をし、常に人生に対して情熱を抱き続けなさい、と私は解釈しました。これが演出なのか実際の発言なのかは分かりませんが、見ていて励まされる人も多いと思います。

■ワイン造りの過程が学べる
ワインについて勉強を始めたら、必ず最初の方にワインの作り方について触れると思います。収穫・選果したブドウは除梗・破砕して、赤なら主発酵・醸し、圧搾、という流れをたどります。ワイナリーツアーに参加したことがある方なら、機械を見たことがあるかもしれませんね。何となくイメージは掴めるものの、実際にその機械が動いている所を見たことがある方は少ないと思います。この作品では畑仕事から樽熟成までのシーンがあるので、よりワイン造りの工程を理解できるようになると思います。また、作品の途中でワインのテイスティングや醸造方法のディスカッションシーンがあり、プロの人がどんな会話をしているのか垣間見ることができて、大変勉強になります。ワインやワイン造りに興味のある方にはとてもお勧めです。

是非、この映画を見るときはあらかじめメルシャンのワインをご用意ください!きっと美味しさが倍増します。

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