Wine Bar MERROW 訪問

2024年7月、麻布十番駅すぐそばにある自然派ワイン専門のバー MERROWを訪問してきました。

皆さまはナチュールワインはお好きでしょうか?
自然派ワインと言えば明確な定義があるわけではないのですが、一般的に亜硫酸を加えていない、または通常の使用量より少ないものを指すことが多いです。他にも化学肥料を使っていない、有機栽培のブドウを使っている、など人によってはもっと高い基準のワインを指すこともあります。

ソムリエ協会でもよく亜硫酸の是非について話題に挙がる事が多く、「頭痛がするのは亜硫酸が原因ではなくて飲み過ぎが原因」というのが見解のようで、品質を保持するためにある程度の亜硫酸は必要なのかな、と個人的に思っています。まぁ、食品衛生的に問題がなく、美味しいものが飲めるのであれば無いに越したことは無いです。

小難しい話はさておき。麻布十番に自然派ワイン専門のバーがあるので訪問してきました。
都営大江戸線の麻布十番駅1番出口を出てすぐそばにあるMERROWです。オープン時間の20時すぎに入店。

お通しのOCCHIPINTI ROSSO PASSITOという、収穫後に陰干しをして糖度を上げたブドウで造られる甘口のワイン。
試飲サイズのグラスで少しだけ頂きました。果実味あふれ、程よい酸味と甘みが大変印象的で、ブルーチーズが無性に食べたくなりました。

まずはスッキリ系の白ワインを飲みたい、というリクエストを出して提案して頂いたのがこちら。オーストリアのゲオルギウムという生産者のもので、ビオディナミ農法でブドウを栽培している作り手です。「ワインはすでに畑で仕上がっている」という信念のもと、誠実な畑作業、醸造作業を行って素晴らしいワインを作っています。

ちなみに、ビオディナミ農法というのはドイツの哲学博士ルドルフ・シュタイナー氏によって提唱された農法で、農薬や化学肥料を使わないことに加え、畑作業を天体に合わせて行ったり、牛の角や水晶の破片を畑に埋めたり、少しオカルティックな要素が混ざってきます。雑誌「ムー」「マイバースデー」を読んで育った私としては、何となく本能的に惹かれる分野だし、科学的な根拠の提示を期待したい分野の一つです。そんなビオディナミ農法のブドウで造られたワイン、いつか飲んでみたいと思っていたので良い機会に恵まれました。

そして、次にオーダーしたのは南アフリカのLukas Van Loggerenbergという作り手のワイン。南アフリカといえば最近ワイナートという雑誌で特集が組まれるぐらいに注目されている生産地です。イギリスのジュエリーメーカーGraffも何年か前にワインのプロデュースを手掛けており、選んだ生産地は南アフリカでした。日本だと少しマイナーな産地ではありますが、品質は折り紙付き。生産者のルーカス・ヴァン・ロッゲレンベルグ氏は自分自身の事を「醸造家というよりファーマーである」と言っており、ブドウ栽培への強いこだわりを実感できるほど高品質なワインでした。

自然派ワイン全体に言えることなのですが、通常のワインと比べて独特の風味があります。亜硫酸が入っていないので保管が難しいワインで、今までに何度か「これは飲んでも大丈夫なのだろうか」と思ったこともあります。なので今だから言えるのですが、実はあまり良いイメージがありませんでした。しかし、ここで出された自然派ワインはどれも美味しく、近くにいた別のお客さんの言葉を借りると「ここのワインは飲みすぎても二日酔いしない」というのは本当のような気がします。

このバーはどちらかと言えばワイン中級以上向き。メニューがあるわけではなく、自分の飲みたいものや予算を伝えてスタッフの方に提案をしてもらい、その中から自分で選びます。おつまみはナッツがありました。店内は大きな1枚板のテーブルと、2-3名掛けの小さなテーブルが2、3個あり、自然とお客さん同士のコミュニケーションが生まれそうな仕組みになっています。なので、落ち着いた雰囲気で美味しいワインを楽しむこともできるのですが、どちらかと言えばワイン好き同士のコミュニケーションを楽しむ社交場のような使い方をするのに向いている雰囲気です。一人で訪問しても楽しめますし、グループで訪問しても楽しめそうなお店。自宅が遠いので長居できないのが残念ですが、また何か機会を作って飲みに行きたいと思うお店でした。

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