スペイン南部の食文化とワイン

世界3大ロードレースの1つ、ブエルタ・ア・エスパーニャの開幕まで後2日。ブエルタ応援企画と銘打って、スペイン南部の食文化とワインについて解説いたします!

いよいよ今週の土曜日から世界3大ロードレースで年内最後のブエルタ・ア・エスパーニャが始まります。私のように飲みながら見る人や、Zwiftをしながら見る人、大勢でわいわい見る予定の人など、楽しみ方は様々だと思います。スタートリストも公開されましたね。私はトタルエネルジーのピエール・ラトゥール選手が推しで、活躍するところを見るのが今からとっても楽しみです。

さて、スタートは皆さまもご存じの通り、スペインの隣国リスボンから始まって南部を西方面へ向かいます。ワインアンバサダーとして、これは是非スペイン南部の食文化とワインについて語りたいと思った次第です。ロードレースは長丁場なので、レースの戦況以外にも建築や観光地の解説が多く入るのが特徴ですが、あらかじめ予習しておくことできっと何倍も観戦が楽しめる事間違いなし・・?

スペイン南部といえば、アンダルシア州です。画像の赤い矢印の箇所がアンダルシア州で、映画「茄子 アンダルシアの夏」で有名ですね。パオパオビールのサイクルジャージを着た方を何度か見たことがあります。そんなアンダルシア州ですが、特徴を3つにまとめてみました。

①フラメンコや闘牛が有名
スペインの舞踊としてフラメンコが有名ですが、実はアンダルシア州が起源なのはご存じでしたでしょうか。ジプシーと呼ばれる移動型の民族が発展・継承してきた文化で、踊り手、歌い手、ギターの演奏者の3役が揃って初めて成立します。私はまだ生で見たことがないのですが、とても情熱的な音楽と踊りが素敵ですよね。そして、国技の闘牛もとても盛んな場所です。いつか訪れる機会があれば見てみたいような、怖いような・・・。

②オリーブ、向日葵などの農業や観光業が盛ん

昔から灌漑を必要としない農業を得意としていたエリアです。最近はハウス栽培のイチゴなども増えてきていますが、やはりオリーブオイルの品質は素晴らしいです。

アンダルシアの家庭料理といえば、トマトベースの冷製スープ「ガスパチョ」も外せませんね。トマト、パン、キュウリ、ニンニク、オリーブオイル、ビネガーで作られています。そして、トマト以外の野菜を使わない「サルモレホ」という、見た目がよく似たスープもあります。どちらも家庭で楽しまれる味で、きっと現地の方もこれらのスープを飲みながらブエルタを楽しまれるのだと思います。

③シェリーの産地
アンダルシア州の南西部に「ヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルーカル・デ・アルメイダ」というワイン生産地域があります。(あまりにも長い名称なので、誤字がないか数回チェックしました・・・。)
これは3つの地域によって成り立っており、パロミノ、モスカテル、ペドロ・ヒメネスという3種類の白ブドウを栽培しています。そのほとんどがパロミノという辛口の品種で、モスカテルとペドロ・ヒメネスの2種は甘口です。

シェリーの醸造には特徴があります。通常のワインだと樽やタンクに入れた後はアルコール発酵が完了すると酵母は役目を終えます。しかし、シェリーはアルコール発酵を終えた後も酵母が生き続けており、ワインに含まれるアルコールや残糖などを養分として、増殖を続けます。その酵母がフロールという膜を形成し、ワインと空気の接触を防ぎます。詳細は省きますが、醸造の最大の特徴は何と言っても、上の樽から下の樽へ、秘伝のタレのようにつぎ足しが行われる「ソレラシステム」でしょう。樽の中で発酵を続けるワインですが、少しずつ蒸散して量が減っていきます。これを「天使の分け前」と言ったりするのですが、減った分を別の樽からつぎ足し、熟成を継続させていきます。樽はだいたい3 – 4段積まれており、上の樽から下の樽へつぎ足しが行われます。

作られたシェリーは辛口から甘口まで幅広い味わいのものがありますので、独特の風味が苦手でなければ必ずお気に入りのフレーバーが見つかるジャンルです。辛口のものであればシーフードやナッツ、甘口であればフォアグラや青かび系チーズ、チョコレートと相性が良いと言われています。幅広い楽しみ方ができるので、ブエルタ観戦のお供に如何でしょうか?

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